赤川次郎 角川文庫
霧の夜の戦慄―百年の迷宮
一八八八年の八月三十一日から十一月九日の間に、ロンドンで五人の娼婦を次々に惨殺し、街中を恐怖に陥れた殺人鬼“切り裂きジャック”。 その正体は百年を経た今も不明のままだ。以前からこの“切り裂きジャック”事件に興味を持っていた十六歳の少女・綾は、二人暮らしだった父が事故で他界した後、スイスの寄宿学校に留学することになった。
スイスでの第一日目、寄宿舎で不思議な眠気に襲われた綾は気を失ってしまう。 そして気がついたとき、綾はなんと一八八八年のロンドンで、「アン」という名前の少女として暮らしていたのだ!自分の手で“切り裂きジャック”を捕らえてみせる、と意気込む綾だったが―。
光と影に彩られたヴィクトリア女王の治世。 そして伝説の殺人鬼「切り裂きジャック」の時代。 19世紀から21世紀へ、百年の時を超えて紡ぎ出される壮大なダーク・ファンタジー。 『KADOKAWAミステリ』掲載を単行本化。
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